Crosstalk 01

理系出身者座談会

IoTの活用や電気自動車、自動運転車の登場など、技術の進歩が著しい自動車業界。自動車を軸にお客様の経営課題を解決する三菱オートリース(MAL)にとって、そうした先進的技術を取り入れた提案は、これからの将来欠かせません。理系出身の社員3名に集まってもらい、理系ならではの視点から「未来のMALで求められる力」を解き明かします。

Talk member

R.O.

西日本営業本部 九州支店
営業二課

2018年入社

理工学部 経営システム工学科 卒

社会人になってから始めたゴルフと、ツーリングでオフの時間を過ごす。愛車は「Ninja 250」。九州支店に配属になり、走りやすい道も多いため行き先には事欠かない。

H.O.

情報システム部 開発推進課

2005年キャリア入社

電気通信学部 電子物性工学科 卒

趣味はルアーフィッシング。週末はスズキを釣りに、鶴見川の河口付近へ。また最近はスマホゲームにもハマっている。

K.W.

市場開発部

2009年キャリア入社

理工学研究科 応用化学専攻 修了

休みの日は子どもと過ごすことが多いが、時間があるときには趣味の陶芸にも取り組む。自分の理想を追い求め失敗と挑戦を繰り返すことが陶芸の魅力。

Theme 01

「理系社員」たちは何を専攻していたのか?

皆さんは理系出身ということですが、学生時代はどのようなことを学ばれていたのでしょうか。

私は経営システム工学を専攻していました。一言で言うなら、経営を数学的観点から客観的に分析する学問です。なかでも、運用やリスクヘッジなどを含む金融工学の分野を学んでいました。研究というよりは座学で、企業の経営戦略を数学的アプローチによって紐解いていく方法を学んでいました。

そこからなぜ三菱オートリースに?

金融業界で、なおかつ「オートリース」という自動車に特化した専門性を掘り下げられるところに魅力を感じたんです。また、同じ会社で長く働ける環境を重視していたので、採用担当の方から働きやすさや各種制度について聞けたのも決め手になりました。

私は電子物性工学科で、氷の分子構造を研究していました。氷は気圧と温度のバランスによって、分子構造レベルが変化します。氷にレーザーをあてて分子構造を調べるのですが、そのためには透明度が極めて高い氷が必要で、私はより綺麗な氷を作る役割も担っていました。分子構造の解析もしていましたが、氷作りにも夢中になっていましたね。

同じ研究室の方は、どのような分野に就職されたんですか?

光学関連の研究室だったので、やはりレンズやレーザー関連の企業が多いですね。私はシステム開発の道に進み、オートリース系企業のシステムを9年間ほど手がけていたんです。ならばいっそ、オートリースの世界で、自分の持てる技術を活かせないかと考え、転職を決意しました。Wさんは学生時代、何を研究されていたんですか?

環境化学を専攻していました。大学4年では太陽光発電、修士では汚染大気の分解がテーマでした。トンネル内の排気ガスを光触媒を用いて分解する技術を空調メーカーと共同研究していました。卒業後に就職したのは自動車メーカーです。自動車は排気ガスを出す根源ですから、環境問題をものづくりから解決できないかと。そこから外資系コンサルを経て、三菱オートリースに入社しました。

Theme 02

大切なのは「学問の分野」よりも「課題へのアプローチ」

皆さんの現在の仕事内容についてお聞かせください。

私は入社以来、情報システム部でシステムの開発に携わっています。情報システム部とひと口に言っても、インフラ、企画運用、アプリケーション開発の大きく3つに分かれます。基幹システムの保守などを手がけながら、現在はWさんと一緒に新規のシステム構築に携わっています。

お二人はご一緒に仕事されているんですか?

部署は異なりますが、今同じプロジェクトに取り組んでいます。H.O.さんの力を借りながら、データやデジタル技術を活用してビジネスモデルを変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。100年に一度と言われる自動車産業の変革が進む中、リース会社は社会やお客様に貢献できることを整理し、自動車の所有や利用から得られるデータを集め、使える状態にすることから取り組み始めています。

「データ」とひと口にいっても色々ありますね。

そうですね。車種や走行距離はもちろん、給油量や高速道の利用回数、移動ルート、交通事故の発生件数やその内容、故障回数やその内容など、オートリースと様々なサービスを通じて多くのデータが集まります。これらデータを多角的に分析できる環境を構築し、お客様の事業運営に貢献できればと考えています。

R.O.さんはまだ2年目ですよね。何をされてるんですか?

西日本営業本部で福岡市内の営業を担当しています。代理店とのやりとりがメインで、担当する代理店はオートリース専業の企業もあれば、ガソリンスタンドや自動車のメンテナンス工場でオートリースも兼ねているケースなど様々です。自動車を利用するお客様に接するのは代理店の方なので、接客に必要となる情報をいかに共有するかが大切です。代理店の信頼を得るために、誠意を持って対応したり、共通の趣味を持ったり、関係構築にも気を配っています。

「理系社員」として、学生時代に学んだことが仕事に活きる場面はありますか?

経営システム工学が業務に直接役立っているか、というと、なかなか難しいですね……。

学生時代に培った専門性と仕事との関係ではなく、学生時代に何を追い求め日々をどう過ごしたのかを振り返るほうがいいかもしれませんね。

出身の分野ではなく、どのような思考性を持っているかが重要です。学生時代に学んだことが、そのまま活かせるケースは本当に稀ですから。

そう考えると「論理的思考力」は役立っていると感じます。実際、ロジカルに説明を組み立てることで、代理店の方にご納得頂けることも多いです。数学が得意なこともあり、「このお客様は車両故障の件数が年々増えているから、別のサービス提案が必要です」といった具合に、根拠を示すよう心がけています。ただ、ビジネスライクなお付き合いばかりではないので、相手によっては懐に入るアプローチが必要になることもあります。そうした対応の振り分けも、理詰めで考えるところがありますね。

確かに、一方だけでは成立しませんよね。私は「物理と心理」に整理して考えるようにしています。物体や数字といった「物理」は、根拠があり嘘もつきませんが、これだけでは共感は得にくく、社会や人を動かすことはできない。一方、メッセージやプレゼンテーションで「心理」に訴えても、「物理」が伴わなければ社会や事業はやがて崩壊してしまいます。

オートリース業界はアナログな部分も多いですし、まだ「心理」の側面が強いように感じます。

R.O.さんは数学が好きだと言っていましたから、数字という「物理」には強いでしょう? 「物理」と「心理」の双方をしっかり捉えられる力は、これからも武器になると思いますよ。

Theme 03

激動の時代にこそ、新たなチャンス

論理的思考力以外に、どのようなものが考えられるでしょうか。

仮説と検証を繰り返すことも、理系学部で得られるアプローチのひとつかもしれませんね。研究テーマについて仮説を立て、検証して、失敗して、また違う仮説を立て、さらに検証して……と、繰り返しますから、「失敗した経験を次に活かす」という考え方が身につきやすいのではと思います。「成功させるためにはどうすべきか」を自分で考えて行動できる人材にもなれるのかなと。

研究成果は「物理」なので言い逃れできません。研究の過程と成果を文書にする論文作成の経験や、提出期限に追われる経験は、ビジネスに活きます。

逆に、理系出身者に足りない部分はどこだと思いますか?

コミュニケーションがやや苦手な印象があります。研究は孤独な作業になりがちですけど、仕事はチームで行うもの。コミュニケーション力はビジネスに不可欠な能力です。

これから先、三菱オートリースやオートリース業界で、こうした「理系」の考え方はどのように活かせるでしょうか。

自動車業界、IT業界含め、時代がめまぐるしく変化しています。ここで何もしなければ、あっという間に置いていかれるでしょう。ただ裏を返せば、他のどこよりも新しいことを始めるチャンスでもあります。学生時代に学んだことが、思いもよらずこの業界で役立つこともあるかもしれない。自分に身近な分野で言えば、DXの推進に向けて、理系分野の技術や知識も重要になってくるのではないでしょうか。

R.O.さんはお客様と直に接する機会が多い営業の最前線にいらっしゃいますから、どのような能力が求められるか、色々と感じるところがあるのではないですか?

オートリース業界では、これまでにない全く新しい業務が生まれる可能性があります。そうなったとき、先を読みながら動くのはとても難しいことですが、仮説と検証を繰り返してより良い仕組みを作り上げる力は、この先も求められるのではないかと思っています。予測が立てづらい時代だからこそ、地道な努力が必要です。

「モノ売り」から「コト売り」、「所有」から「利用」に社会が変革しています。この変革を捉えビジネスチャンスを創る可能性は、その価値観を持った世代、若い世代にあります。そこに魅力を感じてもらえたら嬉しいですね。

変革の時代やデジタルの時代であっても、「理系の専門性」だけが求められているわけではありません。成果を追い求め、そのチャレンジを継続できるか。専攻する研究テーマに真剣に向き合った理系学生が活躍できる環境は整っています。MALは、成果を追い求めチャレンジを継続する仲間を求めています。

アセット 3